個人の相続対策から地域への社会貢献へ相続の相談事例 CASE 02

香川県観音寺市の有力企業、三宅産業のオーナー・三宅家の相続対策だけでなく、同社顧客や地域の人々に対する相続・事業承継の相談を協会認定エクゼクティブコンサルタント・升田良太郎氏が対応しました。 コンサルタントとの信頼関係が、そのネットワークを活用した地域社会貢献へと発展したケースとなりました。

対応会員

升田 良太郎

R・Fマネージメント株式会社 代表取締役
事業承継・相続対策や資産運用について、数多くのセミナーやコンサルティングで活躍。保険・金融分野に強く、生命保険活用した対策提案も得意とする。また、地域に密着し、建築・住設・燃料会社など老後の安心快適な住環境づくりを支援している企業との連携にも注力している

田尻 祐樹

フジ相続税理士法人
株式会社フジ総合鑑定 次長
協会のプロフェッショナルパートナーであるフジ総合グループは相続・不動産に強い法人として東京・名古屋・大阪に事業所を展開。圧倒的な実務実績で定評がある。大阪事務所に所属する田尻氏は、中国、四国のクライアントの問題解決を担当

進藤 裕介、進藤 誠

兄・裕介(左)やまびこグループ 代表・司法書士
司法書士法人やまびこ 代表社員
弟・誠(右)やまびこグループ 行政書士
行政書士法人やまびこ 代表社員
愛媛県四国中央市を中心に生前相続対策の相談窓口で地域 No.1を目指す司法書士・行政書士法人
相続・事業承継コンサルティング協会会員

― まず、三宅さんが升田さんにコンサルを依頼した経緯からお願いします。

三宅様 2017年に当社の取引先の住宅設備機器メーカー・タカラスタンダードから升田さんのご紹介を受けました。相続の話を大変分かりやすくしてくれる人気のセミナーがあり、三宅産業さんのイベントでもいかがですか、と。当社は今年で56回目、56年間連続で開催している展示会など、お客様や地域の皆さんを集めたイベントをいろいろやっていますので、新しい企画として面白そうだと思いお願いしたわけです。その頃は、私の父である会長も元気でした。

升田 会長からは、しっかりやってくれよとお声をかけていただきましたが、ご自分の相続対策はすでにちゃんと考えて対処しているようなお話でした。

三宅様 本人はそのつもりだったのでしょうね。ところが、その翌年に父は急死します。母も私も慌てましたが、一次相続ですから配偶者税額軽減もあり、相続税のことなどはそれほど困ることもありませんでした。ただ、二次相続は大変だろうなと思い、母が元気なうちにしっかり準備しようと思ったわけです。
会社経営をしていますから、当然、顧問税理士はいます。けれども会社会計の専門家と相続対策の専門家はどうも別らしいということを知り、それならばと升田さんに改めて相談したわけです。

升田 三宅社長のおっしゃる通り、税理士さんにも得意不得意があります。また、単に税金の問題だけでなく、法律的な問題、あるいは当事者となる相続人やご家族それぞれの想いもあります。会社経営をされているご家族であれば、そこに付随して考慮すべきこともあります。それぞれの分野に専門家がいますが、私の仕事はそれらの問題を整理し、最適な専門家らとチームを組み、解決策を立案。依頼者に問題解決の選択肢を提示することです。そのような私の役割を、三宅社長と社長の弟様である専務にご理解いただいたということで、引き受けさせていただきました。

― 複数の専門家を束ねるのが升田さんの役割ということですね。

升田 私の専門は、相続事業承継の相談窓口であり、その対策で有効なツールとなる生命保険など金融・商品の取り扱いです。三宅家の案件では、税務や不動産評価はフジ総合グループの田尻次長に、法務・手続き関係はやまびこグループの両・進藤先生にお願いしています。いずれも私が所属する相続・事業承継コンサルティング協会の会員で、以前から多くの案件でご協力いただいているパートナーです。また、法律問題では必要に応じて協会プロフェッショナルパートナーであるロウタス法律事務所の高橋恭司先生にご協力をお願いすることもあります。
三宅家の相続対策では、資産一覧のまとめから着手し、問題点、改善点を整理し、対策案を練りつつ現在に至っています。三宅社長、お母様、それぞれの遺言書も作成していただくなど、しっかりとした準備を進めています。また、その過程で、関連する法律や税金に関すること、あるいは三宅産業の従業員さんからのご相談、さらには顧客からのご相談などもお受けし、このメンバーで解決のお手伝いをしています。

田尻 先ほど、一次相続ではそれほど問題なく進められたとお話がありましたが、私どもで後からお話を伺うと、二次相続までに改善しておいた方が良いという点も見つかりました。一次相続に間違いがあったわけでなく、多数の相続事例を扱っている当社の経験から、こうしておいた方がより良いのではという発見です。升田さんを通じてそのあたりのご提案もさせていただいています。
また、三宅さんの場合は相続財産として不動産も少なくありませんから、この評価をどのようにするかも、今後の対策の大切な視点です。当社は税理士と不動産鑑定士が一緒にやっている事務所ですから、ここは得意分野です。これからもさまざまな角度から検討しご提案していきます。
さらに、これは当社が他でも行い実績を上げていることですが、納め過ぎた相続税の還付手続き。相続開始から5年10ヶ月以内であれば何度でもできますが、当社では成功報酬で引き受けています。これを三宅産業さんのお客様でやらせていただいたところ、約800万円の還付に成功し大変喜んでいただきました。還付のお手伝いについては、三宅産業さんと升田さんを窓口に、これからも大いに展開し、三宅産業さんのお客様に喜んでいただければと思っています。
当社グループは税理士法人でもありますが、三宅産業さんのようにすでに顧問税理士がついておられる経営者の方の相続も多数お引き受けしています。多くの場合、顧問の先生ともしっかり情報交換をし、役割分担と連携で最適な対応をしていきましょうというのが基本スタンスです。

― 升田さんを窓口に三宅産業のお客様の相続対策を引き受けるということですね。

升田 三宅社長のご理解を得て、同社専属の相続や事業承継の相談窓口としての活動を始めました。この仕事では、お隣の四国中央市を拠点とするやまびこグループさんに全面的にご協力いただいています。

進藤(誠) 当社は司法書士と行政書士の事務所です。三宅家の相続対策などで発生する登記業務などを担当しています。地元での相続に関連する仕事は、親が亡くなって土地を相続した方の登記の書き換えとか、そういった仕事が主でした。つまり亡くなった後の仕事です。ところがある時、依頼された相続案件が「争続」になっていったということがありました。亡くなった方の息子さんからの依頼で、その方は生前の親から言われていた通りに手続きを進めようとしましたが、妹さんが納得しなかったということです。遺言もなく、トラブルになりました。その時、つくづく思ったのは、相続に関わる仕事は生前から関わらなければだめだということです。そのようなことから、生前からの相続対策に積極的に取り組むようになったわけです。

進藤(裕) 亡くなった後でできる相続対策は限られていますからね。また、生前の相続準備であっても、依頼者が情報をオープンにしていただかないと最適な対策は打てません。よくあることなのですが、依頼者が情報の一部しか開示してくれず、専門家はその一部の情報だけをもとに対策を立て、それがベストだと考えてしまう。こういう対策の多くは失敗します。相続対策はプライベートなことに立ち入りますが、その情報開示ができる人間関係づくりが、まず大事なのかもしれません。
知識や実務経験を積むということも大切ですが、私たち士業が勉強しなければならないのは、依頼者とのこうした関係づくりにあるのかな、とも思っています。

― まだ元気な方に遺言を書いてくれというのは、ある程度人間関係がないとできませんね。

升田 三宅社長とお母様の公正証書遺言で証人立会もさせていただきました。相続対策での遺言書の大切さをご理解されていたからでしょう。

三宅様 私はもちろん、母が升田さんを本当に信頼しているからですよ。

升田 この案件をお引き受けした最初に、会長の奥様にお話を伺いました。相続財産のことよりも、まずは奥様が相続に関してどのような想いを持たれているかを知るためでした。その後も、定期的にお話を伺っています。相続対策では時間経過に沿っての見直しも必要です。法制や税制の改正、ご本人やご家族をとりまく環境変化がありますし、それによるご本人の心境の変化も当然ありますから。
お話を伺うたびに、奥様の亡き会長やお子様に対する想いの深さがわかります。また、会長とともに会社を発展させてきた、まさに昭和の経営者夫婦の歩みを知るにつけ、私もただ相続対策のお手伝いをするだけでなく、会長と奥様が築いた三宅産業の発展、現経営者の社長や専務のお力に少しでもなれないかという思いが募っています。

三宅様 相続の相談をスタートに、升田さんにはいろいろな専門家、選択肢をご紹介していただき、我が家だけでなく従業員、さらにはお客様の問題解決もしていただいています。お客様への相続対策相談は、当社の社会貢献事業だと思っています。
社会貢献という点では、当社では最近、地元の空家対策にも協力しています。先日、市長とも話しましたが、当社エリアでも空家問題は深刻化しつつあり、地元企業としても行政と連携して問題解決していかなければなりません。建築や燃料を扱う当社は、ビジネスの延長でそこに対応することもできます。そして、空家問題は相続問題とも密接に関わります。升田さんや諸先生方が、私たち家族に行ってくれている親身で最適な対策提案を、地域の多くの人に行っていくことは、まさに大きな社会貢献だと思います。

升田 空家問題や不動産売買も私たちのネットワークの強みが発揮できる分野です。「お客様第一主義、地域の役に立つ」という三宅社長の想いにお応えするためにも、チームで連携していきたいと思っています。

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